今回は、2月の午の日に王子稲荷で開催される凧市について。
最寄駅はJR京浜東北線、東京メトロ南北線の「王子駅」、または都電荒川線の「王子駅前」です。
初午の日は、王子稲荷の凧市
初午(はつうま)は、京都伏見稲荷の稲荷大神が降り立ったとされる日で稲荷神の縁日。
幾多の大火に見舞われた江戸時代、風が大火につながることから(凧は風をきって揚がることから)凧を「火防の凧」(ひぶせのたこ)として火災よけのお守りとし、毎年2月の午の日の縁日に王子稲荷で凧市が開かれるようになったそうです。
2018年の初午は、2月7日(水)、二の午は2月19日(月)
2020年令和2年の初午は、2月9日(日)と21日(金)です。
参道は歩行者専用道路に
王子駅から続く参道は、2月の午の日は歩行者専用道路になり、多くの露店が立ち並びます。
くずもちで有名な石鍋商店さんも、長蛇の行列ができていました。
屋台がつらなる道を歩いて王子稲荷へ向かいます。
王子稲荷神社
王子稲荷神社の境内には「いなり幼稚園」があるため、普段の平日の正門は閉ざされていますが、凧市の日は正門から入ることができます。
階段で立ち止まって待つのは危険なので、拝殿まで案内されるまで少々時間がかかりました。
参拝も、この日は一方通行
王子稲荷で授与される火防、災難除けの火防凧は1,500円
火防凧や火防守りなどを、多くの参拝客はいただいていました。
柴田是真作 額面著色鬼女図の公開
王子稲荷には、柴田是真作の額面著色鬼女図の絵馬が奉納されており、2月の初午、ニノ午の日に公開しています。
平安時代、京の都を荒らした鬼、茨木童子を、源頼光の家臣渡辺綱が腕を切り落とします。後日、渡辺綱の伯母に化けた茨木童子は、その切り落とされた腕を取り返しに来て去っていく様子を描いたものです。
柴田是真(1807〜1891)は、特に海外で人気の高い蒔絵師・日本画家だそうですが、この鬼女の絵が人々を慄然させ、是真が有名になる契機になったそうです。
凧市
拝殿の横には、凧を扱う露店が立ち並びます。
木版奴や手書きの凧など、大小様々
こちらは干支凧
職人さんが、ひとつひとつ手書きした凧が並びます。
「一生の御守りでございます!」
と威勢のいい掛け声をかけられ、いろいろと説明をしてくれました。
初午の日は、稲荷ずしを食べる風習から、稲荷ずしのお店も出ていました。
帰り道、露店が立ち並ぶ参道を戻ると
消防庁の方が、露店の防火対策をひとつひとつチェックして周っています。
防火を願う凧市で火事を出したらシャレになりませんしね。
2020年の午の日は、初午祭2月9日(日)と、二午祭2月21日(土)
火事よけの「火防の凧」をもとめに、お出かけされてみてはいかがでしょうか。