アニメ版の鬼平が始まった。
「血頭の丹兵衛」は東海道の島田宿が主な舞台だが、アニメ版の第一話なので、今回は火付盗賊改方の役宅について。
清水門外役宅
長谷川平蔵が、五ヶ月ぶりに、清水門外の役宅へあらわれ、牢屋へも顔を見せると、「長谷川さま。また、おもどりでございますね」
暗い牢内に、只ひとりで暮らしていた小房の粂八が声をかけてきた。
文春文庫 池波正太郎『鬼平犯科帳(1)』「血頭の丹兵衛」
火付盗賊改役宅は、清水門外と設定されている。
これはあくまでも著者池波正太郎が設定したも。
火付盗賊改方の役宅は、町奉行所のように決められた役所があった(たとえば南町奉行所は現在の有楽町駅前にあった)のではなく、実際は火付盗賊改方の長官(おかしら)に就任した先手組の自宅を役宅として使っていたそうだ。
清水門外。清水門の向かい、今の千代田区役所があるあたりが、火付盗賊改方の役宅として設定されていたのかもしれない。
ちょうど、千代田区区役所の前には千代田区教育委員会の説明があった。
江戸幕府蔵屋敷の礎石
案内によると、この場所は将軍直属の家臣の居住地や蔵、馬場、厩などの施設が置かれていたようだ。
役宅のあった場所が史実ではないにしろ、あながち無関係とは言い難いかもしれない。
明治になると大隈重信邸となり、フランス公使館、憲兵練習場、国営竹平住宅を経て、現在は千代田区役所が建っている。
自分の周囲のアニメ版鬼平の感想
男子高校生3名:正直言って、面白くない。わざわざ見るものでもない。
60代鬼平ファン2人:鬼平が軽すぎる。吉右衛門のイメージが云々。
40代女性(妻):話をはしょりすぎ。全体的に軽いイメージで鬼平の良さがない云々。
と、皆様、何かと辛口。
各々言いたいことがあるかと思うけど、自分の感想は第一話は、とても良かったと思う。
二代目中村吉右衛門版のTVドラマを見たあとに、原作を読んだのだけれど、原作、TVドラマ、漫画、そしてアニメと、色々な描かれ方をする鬼平を見るのが楽しみ。
アニメ版の第一話は、「血頭の丹兵衛」
小房の粂八が密偵として初めて加わる回。
アニメ版の第二話は「本所・桜屋敷」
こちらは、相模の彦十と再会して、彦十が密偵として加わる。
アニメ版の第三話は「暗剣白梅香」
小房の粂八が船宿を預かる。
そしてアニメ版の第四話は「血闘」
おまさが、この回で密偵として加わる。
やはり密偵なくして鬼平の魅力は語れない。
アニメ版に期待しつつ、また原作を読み返してみようと思う。