福山雅治「桜坂」の舞台になった坂の最寄りの駅は、東急多摩川線「沼部駅」。
なかなか味わいの深い小さな駅です。
沼部駅
東急多摩川線の沼部駅。
東急多摩川線は短い3両編成。
電車を降りてホームに立った時、なんともいえない懐かしい感じの匂いがします。
白く低い木のベンチと格子窓。
ここは本当に東京23区内?と思ってしまうような木造の小さな駅舎。
少し遠くに来たような気分になります。
白を基調としているせいか、白黒にしてみても、カラー写真とあまり変化がないような。それがまた懐かしさを感じる原因かもしれないです。
駅舎のすぐ横を、東海道新幹線が走り抜ける。
そういえば新幹線から、東京方面へ多摩川を渡ったあとに小さな駅舎が見えていた気がするけど、あれは沼部駅だったんですね。
東海道新幹線「新横浜」〜「品川間」の東京方面へ向かう車窓より。多摩川を渡ってすぐ左の車窓に見える沼部駅。
「短い3両編成の電車」と、「木造の駅舎」と、「走り抜ける新幹線」と、「線路のたんぽぽ」。
なかなか興味深い小さな駅でした。
沼部駅の住所は大田区田園調布本町。
「田園調布」という名前が付きますが、駅舎も周囲の住宅もいたって庶民的な雰囲気。
桜坂
沼部駅を降りて旧中原街道を歩くこと、約2分。
福山雅治の「桜坂」のモデルになった桜坂に着く。
大田区が設置した坂の説明には、
この坂道は、旧中原街道の切通しで、昔は沼部大坂といい、勾配のきつい坂で、荷車の通行などは大変であったという。
今ではゆるい傾斜道となっているが、坂の西側に旧中原街道のおもかげを残している。
坂名は両側に植えられた桜に因む。
と書かれてあった。
坂の途中にある歩行者専用の橋
その名も、桜橋(さくらばし)。
桜橋の上から、桜坂の桜を一望できる。
この赤い橋「桜橋」が、この桜坂のシンボルなのかもしれないです。
それにしても、訪れる人のほとんどがイヤホンをして曲を聞きながら雰囲気を楽しんでいる。「桜坂」を聞いているのかな。
昔、切通しとして通された旧道だけあって、雰囲気はあります。
旧中原街道は徳川家康が江戸に入った道としても使われ、東海道よりも江戸にぬけるには近道だったため、物資の輸送などに頻繁に使われていたとか。なかなか歴史のある坂のようです。
桜坂と沼部駅の間にある「六郷用水の跡」。
田園調布という名前のように、この周囲は都市開発されるまでは、田園風景が広がっていたのかもしれない。
桜坂は、福山雅治のファンも多く訪れる人気のスポット。周囲に車を止めて撮影したり、子供を道路に立たせて撮影したり、車が来ているのにイヤホンで音楽を聴きながら(恐らく「桜坂」を聴きながら)道路を歩いていたり、花見客のちょっと危険な行為も見うけられた。
たまたまなのかもしれないけど、パトカーとおまわりさんが何度も巡回しては、違法駐車の取締や、道路に出て撮影している人に注意をしていました。
あまり周囲に迷惑になる行為は避けたいものです。
多摩川
中原街道の丸子橋
沼部駅を出て桜坂とは反対の方へ、歩くこと1分。多摩川の河川敷にでる。
昭和9年までは、丸子の渡しで対岸へ渡っていた。
対岸は、武蔵小杉。
かつては旧中原街道の「小杉の宿場」があった宿場町だった。
旧中原街道は、東海道のように大名行列が通過する煩わしさもなく、先ほども書いたけど、江戸への近道になることから庶民や商人に多く使われた旧道。
現在は東海道新幹線も、旧中原街道のそばを通る。