1980年12月8日、ニューヨーク、ダコタハウス
ジョンレノンが凶弾に倒れて40年。
そして、今年は、ジョンレノン生誕80年の年でもある。
ジョンレノンの故郷、リバプールで開催され大反響を呼んだ展覧会が、東京でも開催されると聞いて「ジョン・レノン忌」の12月8日に出かけてきた。
会期は、ジョンレノンの生誕80年を迎えた2020年10月9日(金)から、2021年1月11日(月)まで。
会期が延長され、オノヨーコさんの88回目の誕生日である2月18日までになりました。
この展覧会は、ジョン・レノンと、オノ・ヨーコの二人の作品の展覧会。
改めるべくもなく、オノヨーコはジョンレノンの2番目の妻となった人。
でも、ジョンレノン夫人という感じは全くしない。
ジョンレノンがいて、オノヨーコがいる。
オノヨーコがいて、ジョンレノンがいる。
夫婦だけど、アーティストとしての良きパートナーであり、そして何よりも理解者だった。
ジョンレノンのトレンドマークにもなった丸縁のメガネ
ヨーコが愛用していたサングラスと、対峙して見つめあっているかのよう。
この丸縁のメガネは、英国国民保健サービスのもので、実際はチープなもの。
ジョンもビートルズ時代は、メガネをかけるのを嫌がっていたようだけど、後にこのタイプのメガネを愛用してかけていた。
平和活動パフォーマンス「ベットイン」
ベトナム戦争時代、ハネムーンをマスコミが取り上げる際に、平和の宣伝ために利用した前代未聞のパフォーマンス。
以前、何かの動画で見たけど、戦う相手がヒトラーだったら?というような問いにも、「ヒトラーにも愛を」とヨーコが言い放ったシーンが個人的に印象的だった。
こんなことやってのけるのは、過去にも現在でも、そして後の世でも、恐らくこの二人しかいない。
ジョンが着ていた服も展示されている。
余計な解釈なしに、ただただカッコいい。
ジョンの軍服姿。
反戦の証として、あえて着用していたもの。
ジョンレノンのグリーンカード
時はベトナム戦争真っ只中、「反戦」、「平和」を訴えるジョンレノンに、アメリカ政府が目を付け、日夜FBIの監視下に置いた。
一時は国外退去処分が出るなど当局の厳しい処置もあったが、多くの理解者の支援もあり、後に最高裁判決で、永住権、グリーンカードを習得することできた。
息子のショーンを抱っこするのに使った、抱っこひも
ヨーコとの子「ショーン」が生まれてからは、ビジネスはヨーコがして、ジョンが主夫となった。
ジョンは、時代を先駆けたイクメンパパだったのだ。
この絵画は、よくショーンとジョンが海岸に遊びに行くと言って二人だけで出かけ、実は、こっそりヨーコに内緒で、画家に描いてもらっていたという肖像画。
これも何かの動画で見たけど、大きな包み紙に包装された何かをジョンとショーンが持って帰ってきて、ヨーコが開けて、二人の肖像画だったことにえらく驚き、喜んだとのこと。ジョンは、そういったサプライズが好きだったらしい。
日本展での特別展示として、ジョンが日本語を学ぶために、綴ったスケッチブック。
曜日だけでなく、他にも家族、味、などジョンのイラストと共に綴られているのが興味深かった。
大きなスクリーンでは、「imagine」のプロモーションビデオ。
この先の展示では、あの日がやってくる。
銃規制を訴える広告。
1980年12月8日、ジョンレノンが凶弾に倒れてたから、143万6000人以上が、アメリカ(だけ)で銃によって命を絶たれているらしい。
この他、ヨーコとまだ幼かったショーンによる、事件直後の共同声明などは、涙なしには見られなかった。
グッズコーナーも充実してました。
命日にもかかわらず、待つことなく、人も少なく見ることができた。
新型コロナ感染の影響なのか、ジョンレノンを生で見てきた世代の今では高齢者と呼ばれる客層は少なく、若い世代が多かった。
じっくり見て、3時間ほど滞在。このミュージアムはこの企画展のみで、常設展示はない。
長居をしてしまったなーと思ったけど、グッズ売り場にいた人の中には、ちょうど同じくらいに入った人もちらほらいたので、割とみなさん、同様にじっくり見ていたのかもしれない。
命日の12月8日から3日間は、献花台も設置されている。
もし、あの事件がなかったら、今も、ジョンが健在だったら・・・
どれほど多くのセンセーショナルな作品が、世に産まれてきたのだろう?
没後40年たって(当時、自分はまだ生まれていなかったけど)、早すぎる若き天才アーティストの死に、ただただ残念に改めて思った展覧会だった。
そういえば、このミュージアムに続く道の途中で、アスファルトの間から、誰かに踏まれたのか、茎の折れかかった小さな花が咲いているのを見つけた。
多くのちゃんとした花束と一緒に、その名前も知らないアスファルトに咲く可憐なお花もお供えしてきた。
ジョンとヨーコの願った平和への想いを込めた作品が、いつの世の人々に受け入れられ歌い続けられ、いつか戦争のない争いのない世界がやってきますように。
You may say I’m a dreamer
But I’m not the only one
I hope some day you’ll join us
And the world will be as one
Imagine John Lennon