今回は、毎年10月19日20日に東京日本橋本町の宝田恵比寿神社で開催される「べったら市」について。
最寄駅は、東京メトロ日比谷線の小伝馬町駅。
他、銀座線、半蔵門線の「三越前」や、JRの「新日本橋」からも近いです。
小さな神社の、歴史は古くて大きな伝統行事
10月は神無月。諸々の神様が出雲に出向いて、出雲以外は神様がいなくなってしまう月です。
でも恵比寿様だけは、古来から留守居をしておられると言われ、神々がいなくなってしまう10月、その土地を守る留守神様としてお祀りする恵比寿講が全国で行われます。
「べったら市」で有名な宝田恵比寿神社は、普段はそこに神社があるのに気づかない人もいるくらい意外と小さな神社です。
毎年10月20日の夷講にあわせて、前日の19日から夷講に必要な用品をそろえる市が江戸時代より開かれていましたが、いつしか浅漬大根(べったら漬け)を売るのが主の市になりました。
それが今では「べったら市」として東京を代表する秋の風物詩となっています。
べったら漬け
べったら漬けは、大根を麹で漬けた江戸東京を代表する漬物。
ぽりぽりとした歯ざわりと甘さで、個人的にはこの時期に出回る新米と一緒に食べるのが最高の贅沢ですw。
ちなみに、江戸時代は練馬大根を使用していたとか。
べったら市でしかあまり見られない「皮付き」
べったら市で特におすすめは、皮付きのべったら漬け。
本来、べったら漬けは厚く皮をむいて漬けるものが主流ですが、べったら市には「皮付き」のべったら漬けも並びます。
栄養が豊富なのは皮とその周辺。食感もさらにポリポリ感アップです。
どの露店でも味見をさせてくれるので、本来の「皮なし」と「皮付き」の味を比べてみましょう。
たいていどこも相場は「皮なし」100g 300円、「皮付き」100g 400円あたりのようです(2018年)。
味は店によって様々
べったら漬けも、店によって味、風味、食感が様々です。
赤カブのべったら漬けを、販売している露店もありました。
お店によっては、大根の葉をサービスしてくてるところもあります。チャーハンとかに混ぜても美味しそうですね。
臨時の郵便局も出ており、全国に発送もできます。
「べったら漬け」以外に、特売セールなども
「べったら市」では、べったら漬け以外にも多くの露店が立ち並びますが・・・
昔より10月20日は誓文払いと呼ばれる、特売の日。
本来、誓文払い(せいもんばらい)とは、商売の駆け引きで客に嘘をついた罪を払うため、罪滅ぼしとして特売で販売する日です。在庫一掃の格安で販売するお店も多く、この「べったら市」のもうひとつの目玉になっています。
宝田恵比寿神社のすぐそばにある、1653年創業の小津和紙。
こちらでは、紙製品の特売をしていました。
せっかくなので、こちらの紙の福袋を500円で購入。
ティッシュ、マスク、ラップ、ホイル等々、総額2000円以上はしそうな日用品がたくさん入っていました!
いろいろと楽しめた宝田恵比寿神社の「べったら市」でした。
参考資料:「東京の植物を語る」著者伊藤隼 文啓社書房 昭和10年出版(国立国会図書館) 他
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