呉に行く度に、何度か通った森田食堂。
ある夜、夕飯をいただいていると、隣の席のおじさま&おばさまと呉の桜の話で盛り上がった。
曰く
「昔は、二河公園(にこうこうえん)の桜が綺麗じゃった」
とのこと。
そういえば「この世界の片隅に」の原作にも、二河公園でお花見をしているシーンが出てくる。
ということで、桜の季節は過ぎていましたが二河公園へと足を運んでみることに。
追記:新作映画の「この世界の(さらにいくつもの)片隅に」にも二河公園のシーンが登場しているようです。
二河公園
二河公園は大きな公園で、ちょっとした庭園があります。
作中では、二河公園へお花見に家族と出かけたすずさんが、リンさんと桜の樹の下で再開します。
現在は桜の木はあまりなく、桜の名所というのは、やはり過去のことのようです。
野球場が整備されています。
戦前も野球などのスポーツの盛んな場所だったそうです。
御典橋
公園内を流れる小川に「御典橋」が架かっています。
昭和天皇が皇太子時代に、呉へ巡幸されたのを記念して架けられた橋です。
呉観光協会発行の「すずさんが暮らした呉 まちあるきガイドマップ」によると、御典橋周辺の公園は当時の面影を残しているようです。
防空壕跡
公園内には、横穴式の防空壕の跡がいくつも見受けられました。
呉空襲では、この周辺まで猛火がせまっていたようです。
工廠殉職者招魂碑
野球場の横の駐車場に、工廠殉職者招魂碑がありました。
大正11年12月建立。明治26年から昭和20年までの呉海軍工廠の殉職者、呉軍港創設時以降の呉鎮守府管下の非戦闘員の殉職者を合祀しています。
戦前の絵葉書にも、この塔と思われる石碑が写っています。
駐車場の真ん中に・・・というのがちょっと。
もう少し移設するなり場所を選べなかったのでしょうか。
忠勇護国の塔
野球場の裏には「忠勇護国の塔」がありました。こちらは、呉出身の戦没者の慰霊塔。
明治天皇御製碑
明治天皇御製碑
「軍ぶね 造るところもみてゆかむ 呉の港にしばし泊まりて」
書は、日米開戦に反対の立場をとり、終戦処理にもあたったことで知られる米内光政海軍大将。
多くの慰霊塔や祈念碑
他にも多くの慰霊塔や祈念碑があり、戦争の記憶をひっそりと留める公園です。
参考図書:「呉市と海軍」呉市発行 昭和10年