今回は、広島市の江波山の山頂に建つ「旧広島気象台」現江波山気象館について。
丘の上の気象台
それほど巡ったわけではないけど、全国の気象台巡りは自分のライフワークの1つ。
どの気象台もたいていは丘の上にあり、遠くから見て小さな城塞をも感じさせる佇まいは、小さい頃から興味深く思ってきた。
以前より、広島に来たら一度は行って見たかったのが、旧広島気象台。
現在の江波山気象館。
こうの史代先生の漫画「この世界の片隅に」のアニメ版でも、一瞬気象台が映ります。すずさんも江波の出身でした。
ちょうど、訪れた日はドラマか何かの撮影で使われていた。
言えば通してくれるだろうけど、わざわざ撮影を遮ってまでの度胸もないので、しばし江波山を散策。
江波山はもともとは、島だった。それが江波地区の埋め立てにより、今は山のように見え、公園として整備されている。
江波山の公園のトイレも、風速計をイメージされていた。
江波山気象館
ドラマの撮影がひと段落したところで、門を叩いた。いや、開けた。
現在は広島市が管理する、市営の気象館。気象の博物館となっている。
大人も料金は100円と手頃。高校生、シニアは50円。中学生以下は無料。
まず、入って一番目を引いたのは、ステンドグラスがはめ込められた受付窓。
この受付窓は、現在は使われていないが、こんな美しい受付は見たことがない。
振り返ると、入り口の上部にもステンドグラス。
撮影にしばしば使用される意味がよくわかる。
さながら勝手なイメージとしては旧陸軍参謀本部か大本営か。はたまた昭和初期の病院か、大学か。さまざまなシーンに使えそうな歴史ある趣きのある廊下。
階段も、来てよかったと思わせる何とも言い難い良い雰囲気。至福のときだ。
階段の手すりにも、そう浅くない歴史を感じさせる。
広島市街地方面
昭和20年8月6日 原爆投下の日の当番日誌。
この辺りの展示は、訪れたら見逃さず読んでほしい。
カンベル日照計。太陽光の焦点で焦げ跡をつくり日照時間を記録する。
8~9時と14〜15時、日照の欠けたところがある。
爆心地方面からの爆風で飛び散ったガラス片が、今でも壁に突き刺さったままになっている。
屋上には、シンボルの観測塔。
階段の下部にまでくぼみを作り、凝っている。影もいいね。
観測塔というより、西洋の城壁のよう。
戦争に突入する前の、まだ少しゆとりのあった時代の作りで細部にわたって美しい。
爆心地側の壁。
広島へ来たら、チンチン電車に乗って「江波」で降り、江波山の気象台まで散策するのもおすすめです。
www.tabijiphoto.com
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